肝がんの診断と治療
肝がんの死亡数と原因
肝がんを見つけるための定期検査
肝がんの精密検査
腫瘍生検 狙撃生検
肝がんの発生
高分化型肝がん 早い時期の肝がん
腹腔鏡での腫瘍パターン 肝がん以外
血管造影による肝がんの診断
血管造影の時のCT
肝がんの入院精査治療について
肝がんの治療のみの入院期間は
肝動脈注入療法・塞栓術
肝動脈注入 抗ガン剤注入時
経皮的ラジオ波焼灼術
経皮的ラジオ波焼灼術 イラストムービー
腹腔鏡下の肝がん治療
腹腔鏡下の肝がん治療 治療中ムービー
肝がんの穿刺治療の困難な場合
エコーガイドCTアシストRFA(ラジオ波焼灼術)
エコーガイドCTアシストRFA(ラジオ波焼灼術)時のCT撮影
肝臓の奥深くのがん S1の穿刺治療

肝がんの診断と治療
肝癌の診断は、画像検査、組織検査、腹腔鏡などから診断がつきます。
普通癌の診断は、胃ガンや大腸癌などの小さいうちの癌は組織をとってみてはじめて診断がつくことが多いのですが、肝臓癌は画像検査の結果で判断が付くことも多い珍しい癌です。もちろん、組織をとって診断がつく場合もありますし、腹腔鏡検査ではじめて見つかる肝癌もあります。いろいろなパターンがありますが、まず、早期発見に役立つ検査としては、エコー、CT、MRIの画像検査が行われます。この中でもエコーが非常に無害な検査で、小さい病変を見つけることに優れているので、半年に1度はエコーの検査を受けることは、肝疾患を持っている方にはお勧めと言えましょう。
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肝がんの死亡数と原因
肝臓癌での死亡は年々増加し、男性が女性よりも多いという状況が続いていましたが、最近は女性の比率も高くなってきています。ピークはそろそろ過ぎようとしています。肝硬変での肝不全死を加えると50代60代の死亡原因の上位になっていることがわかります。肝臓病は国民病と言える。しかし、あと10年もすると、死亡数は下がっていきます。
これは、日本の肝臓病の患者さんの年代分布があるからです。国の方で本格的な対策をしなければ、患者さんは治療が間に合わずになくなってしまう。そんな、問題が起こってきています。訴訟の結果を待たず、肝炎患者救済に是非動いて欲しい。患者会も頑張っていますが、国が動いてくれないと本当の意味での救済が実現しません。

肝癌の原因は、ウイルス性肝炎を知らない人は、アルコールだと思っているかたが非常に多い。新聞の芸能人が肝癌でなくなってもその原因が、B型やC型のウイルス性肝炎が基礎にあることはほとんどかかれていません。知らないのか、アルコールを強調した方が記事が読まれやすいのか、理由はよくわかりませんが、日本人では肝癌の原因は95%位がB型C型のウイルス性肝炎によって起こっています。
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肝がんを見つけるための定期検査
肝癌の診断には、他の癌と違い組織を直接確認する事なしに、画像検査の特徴で診断がつくという特徴があります。よく言うと痛い思いをしないで診断がつく癌でもあります。超音波検査、CT、MRIなど、造影剤を用いての検査もありますが、横になっているうちに終わる検査で、肝癌の診断がつくことがあります。もちろん、組織検査をして診断がつく肝癌もありますけど。

エコーは、超音波の性質を使って肝内の変化を観察し、腫瘤性病変を発見する検査です。副作用はほとんど無く、安全で無害な検査のです。この検査は、小さい病変をみつけるのに適しています。しかし、癌かどうかを判断するには難しい場合があります。そのときは肝生検を行って診断をします。

CT(放射線の仕組みを使った検査)やMRI(磁石の性質を使った検査)は造影剤を用いて肝癌の特徴である、造影の早期での腫瘍の染まりと後半での抜けというのを見つけることで診断をします。2cm前後での腫瘍の発見が得意で、肝癌かどうかを診断する力が強いです。

MRIのなかで、鉄分を用いた造影剤では、正常肝細胞の鉄を取り込む性質と肝癌のところには鉄が取り込まれない性質を使って肝癌かどうか、治療後の生き残った肝癌がないかなどを診断していきます。

血管造影は肝癌の診断はもちろん、治療にも使われますし。腹腔鏡検査も肝表面にある肝癌を診断できることがあります。

こういった検査は、肝癌であることを確認するという役目もありますが、肝癌がないことを確認するための検査とも言えます。できるなら、肝癌がないことを確認する検査だと思って受けることを勧めます。
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肝がんの精密検査
画像の定期検査のみで肝がんの診断がつく場合は、そのまま精査治療へ向かいますが、はっきりしない場合があります。その場合には、腫瘍生検(狙撃生検:エコーで狙って肝生検をするのでこう呼んでいます)や血管造影をして腫瘍の性質を判断していくことになります。
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腫瘍生検 狙撃生検
肝臓癌の診断の一つの方法に肝生検があります。私は、エコーで腫瘍を狙って細い針で吸引して細胞をとってくるので、狙撃肝生検と呼んでいます。腫瘍生検のことなんです。

CTや血管造影で肝癌の診断がつく場合には、生検をしないことも多いのですが、肝癌かどうか迷うような場合や他の腫瘍を疑っていて肝癌じゃないことを診断するためなどに行います。

方法は、エコーで、肝臓の中の腫瘍を写しだして、皮膚を局所麻酔して、息止めをしている間に針を腫瘍のすぐそばに刺していって、吸引をかけながらさして抜いてくるという方法です。針の中に入った細胞を顕微鏡で見てもらって、診断をつけます。非常に細い針なので、局所麻酔(麻酔は痛いです)でほとんど痛みはないです。

結果は、10日前後で来ます。これは普通の肝生検の場合と同じくらいの期間がかかります。
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肝がんの発生
肝臓癌のできる様子を色々と検討していくと、段階的に癌へと進行しているという説があります。これは、肝癌とその周辺の組織の様子から想像されていますし、遺伝子などの検討からもこう言ったことが推測されています。

しかし一方で他の発癌の形式も言われています。この辺はまだ難しいので、今は段階的発癌の様子のみスライドにしています
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高分化型肝がん 早い時期の肝がん
スライドは、左が正常の肝臓で、右側が肝ガンのものです。パッとみると違いがわからない方もいると思います。肝ガンになり縦のものと考えられています。
肝ガンにも、どんどん大きくなって転移などがしやすいタイプと、ほとんど大きさが変わらずにいるガンとがあります。写真のガンは、大人しい方のガン、たちのいい方のガンです。ガンなのにたちがいいというのはちょっと違うかもしれませんが、治りやすいタイプと考えてもいいとおもいます。
このタイプは2cm前後で見つかる場合に多く、定期検査(半年に1回以上の画像検査のこと)を行っている方に見つかる肝ガンとしては一番多いタイプです。
この時期になんとかみつけて治療につなげたいというのが、私たち肝臓専門医の肝ガン診療では最も力を入れているとこなのです。肝ガン検診もこういった部分を少しでも、強化できればという狙いがあります。
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腹腔鏡での腫瘍パターン 肝がん以外
肝臓に肝ガンができてこないかをチェックしていると、画像上は疑わしく見えるものがあります。
血管腫や嚢胞というのは、ガンになることはまず無いので心配はないといえますが、そうでないもので、丸くうつるものがとてもやっかいだったりします。
再生結節といって、肝臓が壊れた後治ってきて、再生した肝細胞が丸くなっているところが、ガンに近い形に見えることがあったり、脂肪のかたまりなんかが肝ガンに似たような形に見えることがあります。そういう腫瘍に似た形のものについては、腹腔鏡検査のときに、この形が、似てるんだなあとわかることがあり、写真はそう言った腫瘍に似た形のものです。

写真の上の方は、CTで、丸くうつるので肝ガンだと治療しなければならないということで、腹腔鏡検査を行った患者さんです。腹腔鏡で典型的な再生結節であったことがわかり、安心できました。

下段は、脂肪のかたまりの部分で、こういったものが、腫瘍に見えてくる場合があり、肝生検が必要となることもあります。
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血管造影による肝がんの診断
肝臓の血管造影は、太ももの付け根から、細い管(直径2mm前後のカテーテル)を血管に沿っていれていくことで、その中を造影剤を通して肝臓の血管を写してみていきます。典型的な肝ガンはこの撮影で、動脈からはよく染まってうつり、門脈からは染まらないという特徴を持っているため、実際に腫瘍の細胞をとらなくても診断がつくという特徴があります。

血管造影にCTを組み合わせて、IVR-CTという形で検査をすると、小さい肝ガンが見つかったり、治療の効果を予測することにも役に立ち、とても助かります。
検査だけではなく、抗ガン剤を注入したり、リザーバーを留置していくこともできるため、肝臓病の治療としては中心的な手技の一つです。

血管造影後、管を入れた部分を止血するために15分ほど圧迫をして、そのご足を曲げると出血しやすいことがあるため当院では4時間の安静としています(腹部の血管造影後の安静時間としては短い方のようです)。患者さんの状態によっては長くなることがありますが、以前の一日の安静時間を経験している患者さんからはとても楽になったといわれます。
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血管造影の時のCT
肝ガンの診断治療に血管造影が大切な役割を果たしていることは、以前も話したと思います。もう一つ大切な役割があります。血管造影のときにCTをいっしょに撮ると言うことです。

これは、普通の造影CTで造影剤を腕などの静脈から投与しますが、血管造影では、直接動脈から注入するので、濃い造影剤がしっかりと肝臓を染めることができるため、普通の造影CTでは見えなかった腫瘤が見えてくることがあったり、いままで、見えていた腫瘍が大きかったり性質が違って見えたりすることがあります。

これによってより正確な診断をして、治療方針を修正することで効果を上げることができると言えます。
スライドは左が正常の肝臓で、右が肝ガンを伴ったものです。右の上のCTは肝動脈から造影剤を注入したもので白く丸く見えるところが動脈の血流をよく取り込んでいる時期の肝ガンで、右下の黒く抜けているところが門脈からの造影によって回りの肝臓がそまり肝ガンが染まらないという特徴を写したものです。周囲の肝臓とはっきりと違う姿になっているので、典型的な肝ガンは非常にわかりやすくなります。
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肝がんの入院精査治療について
外来などで肝がんの疑いや診断がついたあと、精査治療目的に入院すると、入院期間は、約2週から4週間かかります。病院によって治療内容によって違いはありますが、血管造影をしてそのあと手術や経皮的ラジオ波焼灼術などの治療に入るパターンが多いと思います。
入院に当たっては、肝臓に良い生活を心がけて、元気に退院する姿をイメージして行きましょう。
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肝がんの治療のみの入院期間は
肝がん治療だけであれば、内科的な刺して行う治療については、早ければ3日以内でかえれる場合がありますが、だいたい1週間前後と思ってくださいと話しています。
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肝動脈注入療法・塞栓術
肝がんの治療のなかで血管造影を用いた治療になります。肝内の動脈のなかで肝がんへ栄養を与えていると思われる血管を見つけてそこの部分から抗ガン剤や塞栓物質を注入して、肝がんへダメージを与えます。できるだけ、肝内の局所へ治療を集中させることで、部分的な外科切除や経皮的治療に匹敵する効果を期待できるときもあり、カテーテルという細い管がどんどん細くなって肝がんへより確実に注入が可能となってきています。
全身投与の抗ガン剤と違って副作用も軽めと言えるかも知れませんが、個人差もありますので、そうでない場合もあります。

スライドは肝臓のいろいろな血管を撮影して最終的に下の右二枚のところで抗ガン剤を注入しています。
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肝動脈注入 抗ガン剤注入時

動画を見る
肝がんへ抗ガン剤が注入されているムービーです。途中で急に黒っぽくなるところが癌です。編集してるので抗ガン剤がたまったところがわかるようにつないでいますので、実際は徐々に黒くなっていきます。
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経皮的ラジオ波焼灼術
スライドは、Cool-tipという機械を用いて行った、経皮的ラジオ波焼灼術のものです、左側の二つの写真は上が治療前のCT、下が治療後のCTです。写真の下側が白い丸の回りに黒くつつむように円ができてるのが治療後の焼けた範囲です。白いのは抗ガン剤をいれた油がたまった部分です。
右の写真は治療中のエコー写真で、白い点々点が針の刺さっているラインです。その途中に白くなってる小さい横楕円のところが針先です。

この患者さんは再発した部位への治療のため、大きめに焼灼されています。治療時間は10分から20分くらいで終了します。
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経皮的ラジオ波焼灼術 イラストムービー
Cool-tipの業者が作成したムービーです。イメージとしてはこういう感じで治療をしています。
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腹腔鏡下の肝がん治療
肝がんの治療のなかで、肝表面に位置し、腹腔鏡が可能な部分については、腹腔鏡での治療が望ましいとされます。腹腔鏡自体出来る病院が限られているので、腹腔鏡のない病院では、外科治療やいろいろな工夫をして穿刺治療を行っています。

スライドは胆嚢のそばで、肝表面に位置してる肝がんでまん中上が実際に針が刺さっているところ、左側が治療前CT、右側が治療後のCTとなっています。わかりにくいですが左での写真の左上の白い部分が治療後は黒い部分となり焼けているのがわかります。

治療時間は麻酔から終了まで30分くらいと非常にみじかく外科治療より負担が少なく、経皮的治療より表面の焼けた範囲がしっかり把握でき、止血状態も確認できるところが特徴です。
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腹腔鏡下の肝がん治療 治療中ムービー

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実際に刺すところ、焼灼しているところ、抜いて確認しているところを編集したムービーです。
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肝がんの穿刺治療の困難な場合
一般的に肝がんの場合、内科的な穿刺治療が難しい場合は、スライドの通です。
しかし、いろいろな、工夫をすることで難しいところでも治療が可能となってきます。
これは、経験や技術、設備いろんな条件により、さまざまな方法があると思います。私が経験してきた方法の一部を少し紹介します。
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エコーガイドCTアシストRFA(ラジオ波焼灼術)
肝臓の肺側の部分や心臓側に肝がんが出来ると、胸水や腹水を注入して行う方法が良く検討されます。私たちの経験では横隔膜の炎症を気にして腹水を注入しても横隔膜の炎症が起きたことがあったため、水を注入しないでも胸水の合併が変わらない野ではないかと考え、安全に穿刺できるルートを確保できるよう、エコーで危険な部位を避け、腫瘍部位はCTで針先との位置関係を調節する方法を採用しています。

この方法であれば、胸水や腹水を作るという手技を省略することで合併症が減り、エコーでは見えにくい部分もCTで肝臓の血管や抗ガン剤のたまり具合を参考に穿刺部位を検討することが出来、効率的でした。
難点は、CT室を独占してしまうため、設備の使用が制限となって自由度がなかなか得られない病院が多いことがあげられると思います。幸い現時点では、治療時間帯の検査が少なく、ほぼ専有して行うことが出来て助かっています。
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エコーガイドCTアシストRFA(ラジオ波焼灼術)時のCT撮影

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この画像は実際にラジオ波焼灼術に用いる針を刺して、CTで肝がんの部位と針先を確認しているところです。画像の上側に白い点が移動しているのがわかるかと思います、これが刺さった針のラインになります。
腫瘍の部位に当たっていると判断できるばあいに焼灼を開始します。
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肝臓の奥深くのがん S1の穿刺治療
このスライドは、ラミブジンを飲み始めて、ウイルスが減少し、e抗原も陰性化した患者さんです。非常に経過が良く、半年以上e抗原が陰性化したことから、休薬してみて、その後も経過が良好な患者さんです。このように休薬可能な患者さんもいるのですが、実際には、継続して投与している場合が少なくありません。それは薬をやめることでウイルス再上昇して肝炎を起こす可能性があるからといいますが、この辺が、やめても大丈夫と言いきれるデータがでるまでは、休薬後慎重に経過を見る必要があります。
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